FLORAL DIARY

シャトレーン

シャトレーンとは、La Chatelaine「シャトーに住む婦人」「シャトーの婦人」の意味から来る言葉で、18世紀~19世紀に流行した、女性が腰から下げたエレガントなツールのことです。

元々は、16世紀頃からあるもので、シャトーに住む婦人や、シャトーを管理する家政婦長の女性が、紐で鍵を腰から下げていたものです。各部屋の鍵や、銀食器など貴重品を入れた棚の鍵など、鍵の管理はとても重要なものでした。家政婦長が近づいて来ると、ジャラジャラという鍵の束の音ですぐにわかったというぐらい肌身離さず持っていたものです。

女性の服にポケットなどのなかった時代、鍵だけでなく、ソーイングキットや、ハサミや、ノートやペンなど身の回りの必要なものを下げるようになりました。そして、下げるものも、紐から、純銀、シルバープレート、銅など、そのシャトーの経済状況にふさわしいものに変化してゆきます。

 

参考写真

 

18世紀後半になりますと、シャトーの貴婦人や、働く女性として地位の高かった家政婦長への憧れから、普通の女性達がシャトレーンを真似することが流行します。1828年に発行されたファッション誌でシャトレーンが女性のアクセサリーとして特集されるとそれは一気に女性たちに広まりました。下げるものも、鏡、時計、気付け薬など様々でした。

デザインも実用的なものから、V&A博物館に所蔵されるようなエレガントなものまで、様々なものが登場しました。

さて、本日ご紹介致しますのは、1900年代初頭のメモ(ダンスカードブック)のシャトレーヌです。ダンスカードとは、舞踏会で女性が申し込まれて踊る予定の男性の名前を書いておいたメモのようなもの。踊った後にどんな印象だったかなどもメモしていたそうですよ。そして、化粧室で女性同士でそのメモを見ながら品定めのおしゃべりをしていたのではないでしょうか。何ともエレガントで夢のあるお品です。

オリジナルのペンも付属していますが、ペンは使用することは出来ません。バネもしっかりとしており、とても良い状態です。

表面は、スミレ。裏面は菊のモチーフです。

東洋のイメージの強い菊の花の文様ですが、18世紀後半に中国からヨーロッパに菊がもたらされて以降、東洋への憧れと共に愛されたモチーフです。ウィリアム・モリスが「菊」シリーズの壁紙をデザインしたのは、1877年のことでした。以降現在まで長く愛されています。

 

7cm×4.5cm

シルバープレート製

¥26,000(税別)

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