FLORAL DIARY

鎌倉文学館のバラ

フローラルは、本日18日(金)~20日(日)まで営業しております。

今日は営業前に鎌倉文学館に寄って参りました。最盛期は終わっていますが、まだまだ美しいバラを楽しむことが出来ました。

鎌倉文学館は、昭和11年に旧加賀藩前田家別邸として建築されたもので、昭和60年に前田家より鎌倉市が譲り受け、開館したものです。鎌倉には他にも行ったことのない寺社などもまだまだたくさんあるのですが、深い緑の谷戸を歩いた先に佇む建物とバラ園が美しく、時間があるとついついこちらにばかり足を運んでしまいます。

こちらは、三島由紀夫の小説「春の雪」にちなんで命名された可憐なバラ、その名も「春の雪」です。三島は執筆にあたり、鎌倉文学館の前身である前田家別邸を何度も取材したのだそう。咲きだしはピンクで白に変わって散り始めるのだそうで、ちょうど満開を迎えていました。

小説「春の雪」のなかでは、維新の功臣を祖父に持つ侯爵家の若き嫡子である主人公・松枝清顕が、エメラルドの指輪を学習院の寮で紛失し気落ちするシャムの2人の王子を慰める為に、父である松枝侯爵の所有する「鎌倉の別荘」に夏休みに出かける場面で登場します。

王子達が癒された、日本人には強すぎると思われるような夏の日差しと美しい庭が今日もここにあり、文学館のテラスに立てば、結ばれることのない伯爵家の美貌の令嬢・綾子を思い、日がな一日海の雲の微妙な変化を眺めていたという清顕の姿が目に浮かんでくるようです。

「父がこの鎌倉の別荘へくるときには、駅頭に町長、警察署長その他大ぜいの出迎えを受け、鎌倉駅から長谷の別荘までの道に、海岸から運ばれる白砂が撒かれるのが常だったが、侯爵は前以て若者たちを、たとえ王子の身分であろうと、書生扱いをして、決して出迎えなどに出ぬように、と町へ申し渡してあったので、四人は駅から人力車に乗って、気軽に別荘へ到着することが出来た。

青葉に包まれた迂路を登りつくしたところに、別荘の大きな石組みの門があらわれる。

先代が建てた茅葺の家は数年前に焼失し、現侯爵はただちにそのあとへ和洋折衷の、十二の客室のある邸を建て、テラスから南へひらく庭全体を西洋風の庭園に改めた。」春の雪より

 

初夏の美しい鎌倉へ、どうぞお出かけくださいませ。

日差し対策と水分補給もどうぞお忘れなく。

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