FLORAL DIARY

Doll’s House

 

DSC_0426

タイムスリップして、昔の家を覗き込んでいるような。

横浜そごう美術館で開催されていた「魅惑のドールハウス展」に行ってまいりました。

12分の1に込められた、ドールハウスの奥深い世界に釘付けになってしまいました。

世界2大コレクションと言われた、イギリスのヴィヴィアン・グリーンコレクションとアメリカのモッツコレクションの貴重なアンティークドールハウスが10数点と、優れた現代作家の作品が展示されていましたが、やはり中でもアンティークコレクションは圧巻でした。

最も古いドールハウスは、16世紀中ごろにドイツの貴族が子女教育の為に、実際の館とそっくりなミニチュアを作ったのが始まりだと言われているそうで、貴族や上流家庭の子供たちのおもちゃとして、大人の趣味として、たくさんのミニチュアが作られました。

日本にも旧家には素晴らしいお雛様が伝わりますが、そのようなものでしょうか。また、変わったところでは、セールスマンが自分の商品を持ち歩いて顧客に見せられるようにカタログ代わりにミニチュアが作られたものもあります。イギリスの買付でもたまに出逢うことがありますが、ダイニングセットだったり、機械だったり、器だったり、とても楽しいものです。

DSC_0410

こちらは、「ジョージⅢ世の紋章付きハウス」 1800年頃 イギリス

ハウスの上部に国王ジョージ3世(1760年~1820年統治)の紋章が掲げられています。紋章をつけられるのが許されたのはロイヤルファミリーもしくは、そのゆかりの親族のみでしたので、それに適う家の子女の持ち物だったのでしょう。

ハウス自体は1800年頃のものですが、中の調度品は、その後200年にわたって揃えられたのだそうです。半球状の鏡は1700年代のスタイル。ツイスト柱のベッドは1800年代作。本棚には、ぎっしりと本が並んでいますが、一つ一つ取り出すことが出来、1740年~1904年まであらゆるジャンルの本が並んでいるというので驚きです。

 

DSC_0441

こちらは、「ハスケル・ハウス」 イギリス 建物18世紀後半 内装1920年代半ば

英国貴族で、英国バレエ史の父と言われるアーノルド・ハスケル卿の母によって、1920年代にフランスのロマネスク様式とドイツのバロック様式の二つの豪華な内装が施されたもの。家具、カーテン、壁紙などの内装すべてが手作りで、ハスケル夫人の生家の貴族のライフスタイルを再現したものです。

 

 

 

DSC_0423

こちらは、「アイビー・ロッジ」 イギリス 1886年

階段、床板、ドアなどが全てマホガニー製という本格派です。ステンドグラスや窓も当時の本物の技法をそのままに使っており、19世紀ロンドン郊外の上流階級の典型的な邸宅を知る上で大変貴重な資料とされています。

 

さて、アメリカに移りましてこちらは、モッツコレクションから、1930年代初頭のアメリカ・「デモインバンガロー」です。

DSC_0431

 

DSC_0425

アメリカらしく、広大な土地に建つ平屋のバンガロー。断面を見せるタイプではなく、四方から家そのものを見ることが出来ます。

DSC_0430

DSC_0433

DSC_0432

ダイニングルームには、ダイニングセットや戸棚が配置され、戸棚の中にはぎっしりと食器が詰まっています。ベッドルームには、蓄音機やミシン、掃除用具まで、当時の生活を感じされるものがたくさん。キッチンにはたくさんの調理器具が詰め込まれており、豊かな生活を想像させます。

アメリカの歴史イコール移民と多様性の歴史。当初圧倒的に多かった英国からの移住の後、飢饉や政情不安から逃れるために、また新天地に希望を抱いて、スペイン、ポルトガル、フランス、オランダ、ドイツ他ヨーロッパ各国から人々がやってきますが、それでも、建国期当時のアメリカ人の4人に3人は英国またはアイルランド系でした。デモインバンガローの調度品を見ると、やはりルーツが英国であろうことが想像出来ます。今回は、アメリカへのそんな思いもあり、しみじみと見学しました。

 

DSC_0456

こちらは、驚きの細かな再現、「モッツ雑貨店」 アメリカ 1930年代 です。

DSC_0449

DSC_0453

モッツ雑貨店は、1914年頃にアイオワ州コボジ湖畔に実在したゼネラルストアだそうです。西部劇などの映画で良く目にすると思いますが、当時のゼネラルストアは、生活に必要な食料から道具類、衣類を扱っていることはもちろんですが、電話をかけたり、郵便を出したり受け取ったり、生活に欠かせないコミュニティの中心でした。その細かさに驚くのですが、当時の生活を知る貴重な資料でもありますね。

 

DSC_0493

アンティークだけでなく、現代作家によるドールハウスも数多く展示されていました。

こちらは、「テス」などで知られる文豪「トーマス・ハーディの家」 1998年 イギリス

藁ぶき屋根を得意とする作家、グラハム・ジョン・ウッズによるものです。藁はココナッツの皮をほぐした繊維で再現されてるとのこと。外壁の花や室内の家具はそれぞれ専門の職人によって作られているそうです。

DSC_0475

DSC_0491

 

 

コメントはまだありません »

No comments yet.

RSS feed for comments on this post. TrackBack URL

Leave a comment