FLORAL DIARY

2021年6月

横須賀美術館

 

 

「糸で描く物語 刺繍と、絵と、ファッションと。」

という魅力的なタイトルに心惹かれて、鎌倉から車で約30分の横須賀美術館に行って参りました。

横須賀美術館は初めてだったのですが、観音崎の東京湾を望む素晴らしいロケーションにまず驚きました。

美術館も併設のレストランもガラス張りの部分が多く、開放的な景色を楽しめるつくりとなっていました。

エントランス前の芝生広場は、「海の広場」。

私も会期ギリギリだったのですが、明日27日(日)が最終日となります。

「手で一針一針、縫い進めていく「刺繍」。糸や布などから生まれる多彩な表情に加え、制作に注ぎ込まれた時間や、作り手の身体性までもが一体となった濃密な表現技法です。
本展は、この刺繍に注目し、その魅力を幅広い分野の作品約230点を通してご紹介するものです。中・東欧の民俗衣装、イヌイットの壁掛け、フランスのオートクチュール刺繍から現代の絵本原画やイラスト、アートなど、さまざまな分野を横断しながら、時代や地域を越えて今なお私たちの心を捉える刺繍の魅力を探ります。」パンフレットより

特に見たかったのは、中、東欧の刺繍の民族衣装なのですが、スロヴァキア共和国大使館、在日ルーマニア大使館、スロヴァキア民俗芸術制作センターが後援、協力となっていたので期待も膨らみます。

まず入場してすぐのお部屋が中、東欧のお部屋でしたが、素晴らしいアンティークやヴィンテージの刺繍のブラウスやエプロン、ワンピース、テーブルクロスなどが所狭しと展示されており、このお部屋だけでも私にとっては十分と思えるほどで、中、東欧の国々をいつか訪れてみたいなと思いました。

美術館の裏側から上に出ると、グレーチング床とガラスの「屋上広場」です。

そしてその後ろには、県立観音崎公園に続く「山の広場」が。

山の広場から敷地内にはずらりとアジサイが植えられており、見頃を迎えていました。私は秋色に変化しつつある頃のアジサイがとても好きなので、ちょうど良い時だったようです。あまりにきれいでアジサイの写真ばかりたくさん撮ってしまったので、最後にたくさんのアジサイの写真で失礼します。

刺繍展は明日までですが、7月10日からは、子どもや動物、情景の繊細な描写と、絵と響き合う詩的な文章で世界中のファンを魅了し、数々の国際的な賞を受賞されている酒井駒子さんの「みみをすますように」展が始まるそうです。山も海も公園も楽しめる美術館でした。もちろん感染対策も万全にされています。

横須賀美術館
〒239-0813
神奈川県横須賀市鴨居4-1
tel:046-845-1211

開館時間など詳しくはこちらでご確認ください→こちら

 

 

 

 

通常営業いたしております

 

夏休みを頂戴しておりましたが、8月29日(土)より通常営業いたしております。

Withコロナの夏。感染拡大防止と地域経済を両立する観光のスタイル、マイクロツーリズムを実践してみようと私にとってはもちろん、母にとっても自宅から2時間圏内である鎌倉を一緒に楽しんでみました。

もはや市内どの業種、店舗においてもコロナ対策を行っていないところはないと言っていいほどだと思います。後は私達自身が三密を避ける、風通しが良いことを念頭において、この猛暑ですからコロナだけでなく熱中症にならないよう、無理せず休憩を多めに、近くても無理に歩かず、車での移動を心がけ、駐車場が併設もしくはすぐ近くにある所を選びました。時系列は前後しますが、2日間の鎌倉のんびり旅です。

こちらは、鎌倉五山第五位の寺格をもつ臨済宗建長寺派の古刹・浄明寺です。

源頼朝の忠臣で剛勇の士であった足利義兼が1188年に創建。

足利義満が鎌倉五山の制を定めた一番華やかな頃には、塔頭23院を有する大寺院だったとのことですが、火災などのため徐々に衰退し、現在は総門、本堂、客殿、庫裡のみとなっています。

駐車場から北に少し歩き、山門を上がると、すぐに国指定史跡である境内が現れます。ちょうど庭師さんが入っていたこともあるでしょうけれど、美しく整えられた庭園と真夏の青空のコントラストが美しく、まるで絵葉書のようでした。

写真真ん中の本堂は、銅板葺の寄棟造で、ご本尊は釈迦如来です。

浄明寺さんで楽しみなのは、本堂横の喜泉庵でいただけるお抹茶か、山を上がったところにあるイングリッシュガーデンと石窯ガーデンテラスでいただくアフタヌーンティーか。

今回は、坂を上がってイングリッシュガーデンを拝見するには暑すぎましたし、喜泉庵さんを見ると先客もいらっしゃらなかったので、休憩をさせていただくことにしました。現在の庵は1991年に復興されたものだそうで、1500年代には五山の僧が一堂に会して茶を喫したと言われています。

枯山水の庭園を望むお茶室でいただく冷たいお抹茶と美鈴さんの錦玉「清流」と「琥珀(でしたか?)」は格別の美味しさでした。美味しいお抹茶にお菓子をいただき、枯山水を眺め、目を閉じて水琴窟の微かな音に耳を傾ければ、瞑想をした後のようにゆったりとした気持ちになります。すぐ近くの報国寺さんの竹林の中のお茶席も素敵ですが、こちらのほうが人も少なく、ゆっくり出来るように思います。

稲荷山・浄明寺

鎌倉市浄明寺3-8-31

9:00~16:30

 

こちらは、鶴岡八幡宮内の鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム(旧神奈川県立近代美術館)です。

1951年11月、建築家・坂倉準三の設計で日本初の公立近代美術館として鶴岡八幡宮内に会館し以降多くの方に愛された神奈川県立近代美術館ですが、鶴岡八幡宮と県の土地の借地契約満了に伴い閉館が決まりました。契約書に、「契約満了時には土地を更地にして返却する」という条項があると発表されたため、この素晴らしい建築物がまさか壊されるのかと恐れましたが、神奈川県指定重要文化財に指定され、県から鶴岡八幡宮に土地の返還と合わせて無償譲渡された後、昨年6月に耐震工事を終え、鎌倉文華館 鶴岡ミュージアムとして新たなスタートをきりました。

リニューアル後は初来訪です。

検温、マスク着用、手指消毒後の入館です。

現在は、「特別展 雪洞 ぼんぼり1938-2017」が開催中で、厳選された過去のぼんぼり作品を拝見してきました。鶴岡八幡宮のミュージアムという事で、チケット売り場や、学芸員さんが座る椅子に座っていらっしゃるのも皆さん巫女さん(!)とても新鮮でした。

池に反射した光がキラキラと天井に煌めくピロティはそのままの美しい景色です。

今回全く新しく併設されたカフェ。以前の趣のある本館の喫茶室がなくなったのは寂しいですが、新しいカフェは広々として明るくとても気持ちの良い空間でした。店内には、2010年に倒れてしまった大銀杏の一部が展示されています。癒しの空間ですね。

コロナの影響からというわけではなく最新の機器が導入されており、タッチパネルで自分で注文してお会計を済ませ、出来上がったらカウンターに受け取りに行くシステムで、店員さんとの接触機会はとても少なくなっています。

普段は夏でもあまり氷も冷たい飲み物もいただかないのですが、あまりの暑さに、カフェの外に出ていた「日光蔵元松月の天然氷」の旗に誘われるようにカフェに入り、迷わずかき氷をいただきました。「いちごミルク」と「珈琲にほうじ茶アイスとコーヒーゼリー」ボリューム満点!美味しくいただきました。

鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム(鶴岡八幡宮内)

10:00~16:30(入館は16:00まで)

カフェ

10:00~17:00(ラストオーダー16:30)

月曜休館

 

続きはまたにさせてくださいませ。

益子とセントアイヴスと

先日お休みをいただき、とても見たかった展示を見に益子に行ってきました。

昨年は、弟家族と母と、念願だったイギリス南西部セントアイヴスのリーチポタリーを訪ねることが出来ました。昨年のダイアリーを見てみましたらまだその様子を書いていませんでしたので次回またアップさせてください。

今年は、バーナード・リーチと濱田庄司がそのリーチポタリーを開窯して100年の記念の年ということで、益子の濱田庄司記念益子参考館でも「リーチと濱田」展が開催されています。

濱田庄司御本人やバーナード・リーチ、河井寛次郎の作品などに加え、17、18世紀のイギリスのスリップウェアをはじめ、日本、イギリス、オランダ、韓国、メキシコの素朴で美しい民藝品の数々を拝見することが出来ます。

ところで、「濱田庄司記念益子参考館」という名称は少しめずらしいなと以前から思っていたのですが、蒐集された貴重な品々を広く人々にも参考にしてもらいたいという濱田先生の思いから「記念館」や「美術館」ではなく「参考館」なのだそうです。入り口にも「館内撮影自由です」と貼り紙がしてあり、民衆の民衆による民衆のための工芸であるという民藝の趣旨もこういうところからも感じ取ることが出来るのかなと思いました。思えばロンドンのV&A博物館にも古いスリップウェアが多く収蔵されているのですが、こちらもまた「撮影自由」。写真に撮るよりも自分の記憶に残したいとは思いますが、「自由に参考にして勉強すれば良い」と言ってもらえているような気がします。

作品だけでなく、登り窯や作業場も拝見することが出来、移築された茅葺きのお住まいの一角も開放されており、ご一家が使用していたダイニングテーブルやベンチでお茶をいただくことも出来ます。

 

私は益子には陶器市のとても混雑している時にしか行ったことがなかったのですが、冬の益子もとても素敵でした。

 

濱田先生が使われていた手ろくろ。冬の日差しがとても美しい作業場でした。

フェルメール展

気持ちの良い行楽日和の週末でしたね。皆さまいかがお過ごしでしたでしょうか。

先日フェルメール展に行って参りました。

VERMEER 9/35

わずか35点とされる貴重な現存作品のうち、日本美術展史上最大の9点が来日という意味のキャッチコピーだそうです。

フェルメール作品9点は、順路の最後に位置するフェルメールルームに一同に展示されていますが、その前に17世紀オランダ絵画の傑作50点も見ることが出来ます。

「光の魔術師」「謎に満ちた作品」「フェルメール・ブルー」と、様々に形容される作品一点一点の素晴らしさはもちろんなのですが、やはり「フェルメールルーム」に足を踏み入れると全部フェルメールというのはクラクラとするぐらいに圧倒されます。

窓から降り注ぐ朝の光が美しい「牛乳を注ぐ女」。所蔵のアムステルダム国立美術館はこの作品を「疑問の余地なく当美術館でもっとも魅力的な作品の一つ」としています。メイドが静かに牛乳を注ぐ音が聞こえてきそうな日常のさりげないワンシーンが描かれていますが、ふんだんに使われた印象的なブルーは、当時聖母マリアを描く時に使われていた高価で貴重なラピスラズリが原料になったもの。壁の下に配置されているデルフトタイルのブルーも美しいです。

フェルメールの作品には、たくさんの暗示やメッセージが込められているそうですが、そのような学術的な解説を聞いて見るのも良いですが、先日放送された日曜美術館のフェルメール展特集で、イッセー尾形さんが妄想のセリフを付けていらっしゃるのを拝見して、自由勝手に想像や妄想しながら見るのも楽しいと思いました。

さて、今回の展示は日時指定入場制で事前にチケットを予約購入しなくてはなりません。私はその日は、13時に日本橋で用事がありましたので、11時の会なら行けるかも!と当日朝に急に思い立ち、スマートフォンから購入しましたが、私の場合なかなか時間がかかりましたので、出来れば前日までに済ませておくことをおすすめいたします。思い立ってパッと行きたいとか、空いた時間にサッと行きたい場合にはちょっとハードルが高い方式ですが、何時間もの行列よりはずっと有り難いですね。

私が申し込んだのは「11:00~12:30」の回なのですが、これは鑑賞時間ではなくて、入場時間で、入れ替えもありませんので、11:00から12:30の間であればいつ入っても良いのです。各時間の最初は行列すると聞いていたので、11:30過ぎに行ったのですが、これがまた、、皆考えることは同じのようで、行列で入場まで20分待ちとのこと。チケットを買っていなければ確実に諦めたところですが、すでに2,500円のチケットを購入済みなので並びました。行列には驚きますが、人数が制限されていますので入場は非常にスムーズでした。各回予約人数に達していなければその場で購入も出来るそうです。

フェルメール展 東京
会期 2018年10月5日(金)~2019年2月3日(日)
休館日 12月13日(木)
開館時間 9:30~20:30
開館時間の変更もありますので、詳しくはこちらでご確認下さい。
会場 上野の森美術館 〒110-0007 東京都台東区上野公園1-2

大山崎山荘美術館

 

先日のMIHO MUSEUMからの続きで、翌日は大山崎山荘美術館へ。こちらもやはり一度行ってみたいと思っていた美術館でした。フローラルのお客さまからもウィリアム・モリス展がとても良かったと伺っていたのですが、それには間に合わず残念でしたが、夏らしく「サム・フランシスの色彩」展が開催中です。

京都駅からJR山崎駅もしくは、阪急大山崎駅まで約15分。美術館までは、山崎駅からですと徒歩10分ほどですが、阪急大山崎駅からは少し距離があります。ご高齢の方優先とのことですが、両駅から無料送迎バスが出ています。平日ですいていたので、私たちもお世話になりました。夏の京都にはありがたいです!

 

 

バスをおりて、緑の木立を抜けますと、ひっそりと佇む山荘が現れます。

 

大山崎山荘美術館は、関西の実業家・故加賀正太郎氏が大正から昭和初期にかけ建設した「大山崎山荘」をアサヒビールが創建当時の姿に修復し、安藤忠雄氏設計の新棟を加えて、1996年に開館したものです。

正太郎氏が亡くなり、山荘は加賀家の手を離れ、今の素晴らしい姿からは想像出来ませんが、廃墟のようになってしまったとのこと。バブル末期には、最終的に建設会社の手に渡ることとなり、何と取り壊して高層マンションにする計画があったのだそうです。

ニッカウヰスキーの設立にも参画した正太郎氏が、同じく船場の生まれでアサヒビールの初代社長であった故山本爲三郎と深い親交があったことから、京都府や大山崎町からの要請を受け、アサヒビールが山荘の復元を請け負ったとのこと。

優雅というよりも、質実剛健を表したようなチューダーゴシック様式の建物にハーフティンバーの外観。若かりし頃にヨーロッパ各国を遊学する中で、特にイギリスの建築様式に興味を持ち、途中で訪れた炭鉱夫の家がヒントになっているのだとか。

内部も男性らしい重厚なつくり。室内は写真撮影は出来ませんが、ポストカードの掲載許可をいただきました。きっとモリスのカーテンや壁紙がぴったりだったと思うので、やっぱりモリス展を見逃して残念・・・。

美術品の主軸となるのは、美術館開館に際して寄贈された山本爲三郎コレクションです。爲三郎氏は、芸術文化活動への支援に大変熱心で多くの芸術家を支援しますが、特に熱意をもってとり組んだのが、柳宗悦が提唱した民藝運動への支援でした。そのため、河井寬次郎、濱田庄司、バーナード・リーチ、芹沢銈介、黒田辰秋らの作品を一同に見ることが出来るのです。

ポストカード

その他にも、イギリスのスリップウェアやデルフトのタイルなど、国内外の美しい工芸品が飾られています。

こちらは、喫茶室の先のテラスから見る景色。山を上ってくる価値があったというものですね(バスでだけど)。テラスにはバーナード・リーチの鉄絵組タイルが、さり気なく、でも、存在感たっぷりに置かれています。そのすぐ横でティタイムをすることも出来ますが、私たちは、クーラーの誘惑に贖えず、室内でいただきました(^_^;)

これだけでも、十分満足ですが、まだまだ。

そう、安藤忠雄さん建築の美術館棟です。シンプルで美しい階段を下り、地中に埋め込まれた円柱形のギャラリーにはモネの睡蓮が展示されています。その向かいには、今回の企画展であるサム・フランシスの鮮やかな色彩がほとばしる大作が飾られていました。モネの睡蓮とアメリカの抽象画家サム・フランシスの作品。素人考えでは対照的と思えたのですが、その同じ組み合わせを、数日後に横浜で見ることになり驚きました。

現在横浜美術館で開催中の「モネ それからの100年」展。モネとモネに影響を受けた現代アーティストの作品展ですが、睡蓮の連作の向かいに、サム・フランシスの作品が展示されていました。サム・フランシスは、オランジェリーのモネの睡蓮に感銘を受け、傾倒していたのだそうです。そしてその隣には、アンディ・ウォーホルです。先日、学芸員さんに、「美術館に行ったらすぐに説明書きを読まずに、作品を自分で感じて、気に入ったものだけ後から戻って読めばいい」と言われたのですが、修行と勉強が足りず、ついつい説明文を読んでしまいます。

上の写真は、横浜美術館

「モネ それからの100年」

7月14日~9月24日

木曜休館 詳細はご確認ください

平日でしたが、夏休み中ということで、チケット売り場が長蛇の列でした。友人からそう聞いていたので、直前に電車の中からスマートフォンでチケットを購入しました。展覧会公式サイトから購入出来ます。事前にご自宅でプリントアウトも出来ますし、私のように直前に思い立った方は、「スマートフォンに画面表示」というのも選択出来ます。便利ですね!

もちろん、チケットぴあ、コンビニなど従来通りの方法でも。

アサヒビール 大山崎山荘美術館

〒618-0071

京都府乙訓郡大山崎町銭原5-3

月曜休館(祝日の場合は翌日)、年末年始、臨時休館日あり詳細はご確認ください

10:00~17:00(休館は16:30まで)

お車の場合は、美術館の敷地までは車では入れませんので、駅周辺のコインパーキングのご利用となります。

MIHO MUSEUM

夏休みをいただきましたフローラルですが、台風の直撃によって、目的地を急遽変更し、以前より行きたかった京都・滋賀の美術館を巡る旅に行って参りました。

まずは、滋賀・信楽のMIHO MUSEUMへ。上の写真は、図録の表紙のお写真をお借りしました。建築設計は、ルーブル美術館のガラスのピラミッドやワシントンのナショナル・ギャラリー東館、北京の中国銀行本店などで世界的に知られるI.M.ペイ氏によるもの。設計のテーマは桃源郷とのこと。上の写真をみると小さな美術館に見えると思うのですが、驚くべきことに、建築物の80%は地中に埋められているのです。それにより自然との融合をはかっているのだそうです。美術品の保護の観点からも地中にあるということは理想的なのだそうです。

京都からJR琵琶湖線で約15分、JR石山駅へ、そこからバスで約50分。車ならもっと便利だと思いますが、バスに揺られて自然豊かな湖南アルプスの山中まで辿り着く感じが旅気分を盛り上げてくれます。

 

まずバスで到着するのは、レセプション棟です。こちらから美術館へは、枝垂れ桜並木、トンネル、吊橋と、それだけでフォトジェニックで印象的なアプローチを通って徒歩でも10分ほどですが、上り坂でもあるので、電気自動車が連れていってくれます。

帰りは下り坂ですし、トンネルを歩いて自然を感じようと話していたのですが、古くからの知人である学芸員さんの楽しい解説にアッと言う間に時間が過ぎてしまい、あわや最終のバスを逃すほどになってしまったので、帰りも電気自動車のお世話になりました。。

美術館棟に到着。こちら側から見えるのは、ほぼこのエントランスだけで、この先は斜面と地中となります。

贅沢に美術館全てに使われているのは、フランスのライムストーン。ルーブルのピラミッドなどペイ氏の他の作品にもよく用いられているものです。貝殻など古生物の殻が堆積して出来た石灰岩が熱変成して、炭酸カルシウムが再結晶したものを大理石といいますが、その熱変化が起きていないものをライムストーンと言うのだそうです。そのこだわりを伺えば本当に一日では収まらないほどになってしまうのですが、この床の磨きも、滑らず、曇らず、女性のスカートの中が見える程には光らせないよう細かい指定のもと行われるのだそうです。

コレクションは、茶道具から始まり、仏教美術、陶磁器など日本古美術から始まったそうですが、美術館の建設と同時進行で世界の古代美術の収集が行われたそうです。学芸員さんのご苦労が並大抵ではなかったことは容易に想像出来ます。エジプト、西アジア、ギリシャ、ローマ、中国、ペルシャ、中央アジアとシルクロードを旅するように世界的に貴重な美術品約2,000点の所蔵の中から250~500点の常設展示を見ることが出来ます。

2世紀後半期のガンダーラ仏立像は、それに合わせてペイ氏が部屋をデザインしたそうですし、エジプトの紀元前1,200年頃の隼頭神像を目の前にすると、金、銀、ラピスラズリや水晶の輝きが数千年を経ても衰えないことに驚きを感じます。

エジプト、ローマ、ギリシャの人物像の筋肉のつき方や、イケメン具合の違いなど、詳しく楽しい解説に夢中になり、企画展「赤と青のひみつ」は駆け足で抜けることになってしまいました。夏休み企画ということもあり、子どもたちが楽しめる体験コーナーもたくさんあり、とても楽しそうでした。

実際にいらした方が驚かれてもいけないので、と言いますか、聞けば納得というところでもあるので、記しておきますが、MIHO MUSEUMは新興宗教である神慈秀明会の創始者によって作られた美術館です。神慈秀明会は、MOA美術館の母体である世界救世教から分派したのだそうで、世界救世教の教祖である岡田茂吉を教祖としています。

宗教法人が母体の美術館と言いますと、先入観を持つこともあると思います。その宗教的理想を実現するために、大変な労力と、強い意思と、潤沢な予算をもって作られますので、信仰を持たない私たちは、純粋に、桁外れに贅沢で美しい美術館として楽しめば良いと思っています。ロックフェラーなど、経済活動により巨万の富を得た人々が収集した美術品を展示して作られた企業や財団による私立美術館と同じように。

自然農法によって作られた野菜や、調味料でつくられるお食事がいただけるレストランもおすすめです。どんなに安心安全な有機農法だとしても、美味しくなければ意味がないとは常々思うことですが、それに美しさが加わったお料理でした。シンプルな一汁三菜ご膳やおうどん、おにぎりなどですが、野菜と出汁の味がしっかりと濃く、大満足しました。パンやデザートも美味しそうでしたよ。

お客様の半数ほどはヨーロッパ、アジア圏など外国からの方でした。ペイ氏の名声もあると思いますが、皆さんよく調べていらっしゃるなあと思います。

百聞は一見に如かずなのですが、遠くてなかなかいらっしゃれないと思いますので(私もそうだったので・・・)昨年MIHO MUSEUMで行われた、ルイヴィトンの2018年コレクションのオフィシャル動画を添付しておきますのでどうぞご覧ください。

トンネルから美術館までのアプローチがランウェイになっており、空撮が壮観です。松の木のデザインが衣装にもありますが、まるでエントランスホールの円形の扉の奥のガラス越しに植えられたペイ氏厳選の松の木そのものを描いたようです。場所を決めてからデザインが出来たのでしょうか?そして、雨だったらどうなったのかなぁとファッションショー事情に疎い私は思ってしまいました。そして、昨夜CSでやっていた「プラダを着た悪魔」をまた夜中に観てしまい、洋服のデザイン自体は素人にはよくわからないとしても、この素晴らしいショーの実現がどれだけ大変だったか想像してしまいました(;_;コ、コワイ。

 

動画引用元

ルイ・ヴィトンオフィシャル

YouTube: https://youtu.be/UzIUQeoG-NQ

 

MIHO MUSEUM

〒529-1814 滋賀県信楽町田代桃谷300

開館期間は時期、年によって異なりますのでご確認ください

10:00~17:00 月曜休館

http://www.miho.or.jp/